こんにちは。千葉市緑区あすみが丘にあるかつらやま歯科医院 歯科医師の今中です。
定期的に飲んでいるお薬がある方で当院を始めて受診する方、また飲んでいるお薬が変更になった方は受診の際に必ずお薬手帳をお持ちください。
歯科治療は患者さんの持病や持病の治療薬に影響を受けることがあります。そのため当院では十分な配慮をして治療を行うため患者さんの持病や服用しているお薬についてできるだけ正確な情報が欲しいのです。お薬手帳があると持病の状態の把握に役立つのです。そこで今回は歯科治療への影響が大きいご病気についてご説明いたします。
高血圧症
①血圧のコントロールがされていないと、外科処理の時に出血しやすい傾向があります。
②高血圧の合併症、心血管病の治療の為抗凝固薬や抗血小板薬を飲んでいると外科処置後に血が止まりにくい為、止血処置を念入りに行う必要があります。
③歯科治療の緊張などで血圧が急上昇しやすい事があります。食事療法や飲み薬で血圧を十分にコントロールして受診しましょう。
血圧が高い状態では歯科治療が行えない場合があります。また、お薬を休むと脳や心臓に重大な偶発症が起きることがあります。持病のお薬はいつも通り服用して来院してください。
糖尿病
①歯周病の炎症が起きやすく治りにくい傾向があります。定期的にメインテナンスを受け歯周病から歯を守りましょう。
②手術後や抜歯後の傷が治りにくく感染しやすいことがあります。抗生物質などは指示通りしっかり飲みましょう。
③糖尿病の合併症の心血管病の治療の為に抗凝固薬や抗血小板薬を飲んでいると外科処置後に血が止まりにくく止血処置を念入りに行う必要があります。
④低血糖発作を起こすことがあります。食事療法、飲み薬、インスリンなどで血糖値のコントロールをして体調を整え、自己判断で食事を抜かないで治療にいらしてください。
糖尿病の状態によっては歯科治療を行えないことがあります。またお薬を飲まないと血糖値が不安定になり意識がモウロウとなったり、食事を抜く事で低血糖発作を招くことがあり危険です。持病のお薬はいつも通り服用して来院してください。
骨粗しょう症
治療薬のビスフォスフォネート製剤(BP剤)は抜歯、神経を取るなどの処置の後に顎の骨が壊死する事があります。BP剤を服用している方は定期的にメインテナンスを受け普段から口腔内を清潔にし虫歯や歯周病を予防するようにしましょう。
ステロイドをお使いの方
長期間ステロイドを服用している方は免疫機能が低下する副作用があります。そこで歯科治療の際に感染予防のために抗生物質を事前処方する事があります。その際は指示通りお飲みください。またステロイドを急に休薬するとショック状態を起こすことがあり危険です。自己判断での休薬はやめましょう。
喘息
治療中やクリーニング中にお口に水が溜まった時のむせが誘引となって発作が起きることがあります。お使いの吸入薬は忘れずにお持ちください。また、アスピリン喘息の方は歯科の鎮痛薬で発作が起きることがあります。必ず申告してください。
抗がん剤治療、放射線治療を受ける方
この治療は免疫機能を強力に抑え込む治療です。治療中の歯科治療は大変難しいため抗がん剤や放射線治療を始める前に必要な歯科治療を済ませ、お口のクリーニングを受けることが推奨されています。
胃が弱い方、悪い方
歯科で処方する鎮痛剤や抗生物質がきっかけで胃を痛めることもあります。事前にご相談ください。
持病に関する情報を共有することで患者さんご自身のお口や体を守ることができます。お薬手帳は保険証と一緒にお持ちください。