最近注目を浴びている『口腔がん』とはお口の中にできるがんの総称です。
お口の中のがんは舌、歯ぐき、口腔底、頬粘膜、口蓋、顎の骨、唇など、歯以外のどこにでも発生する可能性がありますが、その中の約6割が舌にできます。
口腔がんは初期は痛みがありません。これが早期発見を難しくしています。
またたとえ痛みが出るほど進行していたとしても、患者さんが口の中にがんができることを知らないことで放置してしまい、重症化するケースも少なくありません。
このようなことから進行した状態で初めて病院を受診する方が全体の3割を占めるのが現状となっています。
一般的にがんの原因は食事、生活習慣(お酒とタバコ)、ウィルスだと言われていますが、口腔がんではさらにお口の粘膜への慢性的な刺激が原因となります。刺激が繰り返されるうち、あるとき粘膜の異常が起き、口内炎から前癌病変、そして口腔がんになるのです。
口腔がんは怖い病気ではありますが早期発見、早期治療ができれば治癒率の高いがんです。
口腔がんの予防のために次の6つを心がけてください。
①お口をきれいにする
②虫歯や歯周病を放置しない
③合わない入れ歯を我慢しない
④舌やお口の粘膜に当たる歯や被せ物、入れ歯などは直してもらう
⑤セルフチェックを行う
⑥歯科で定期検診を受ける。
セルフチェックは大きな鏡の前でお口の中に充分光が当たるようにして、見るようにしてください。舌の裏側や、歯ぐき、頬の内側、口蓋、くちびるにもまんべんなく目を向けましょう。舌がんは舌の横側や裏側に出来やすいのでその部分は特によくチェックしてください。粘膜の赤くただれた部分や白いできもの、硬くなったしこりは要注意です。そうした変化を見つけて、しかも2週間以上治らない時は歯科で見てもらいましょう。
口腔がんの早期発見にはセルフチェックに加えて、半年に1回程度、歯科で舌やお口の粘膜も診てもらい、また発症のリスクとなるお口の中の要因を取り除くことも大事です。
お口の中の変化で気になることがあれば当院にご相談ください。