皆さんこんにちは、歯科衛生士の塩田です。今回はインプラントについてのお話をしたいと思います。
インプラントとは人工の歯根(インプラント体)をあごの骨(歯槽骨)に埋め、その上に金属、セラミックスなどのパーツを組み立てて人工歯を作る治療方法です。歯槽骨に埋まって自立してくれるため、隣の歯を支えにする必要がなく、入れ歯やブリッジに比べその機能も形も天然歯とよく似ています。これを可能にしているのが、チタン製のインプラント体と歯槽骨との結合です。数か月~半年程度そっとしておくあいだに、歯槽骨とがっちり結合します。インプラントを長く快適に使い続けられるかはこの「結合」をいかに維持するかにかかっています。
インプラントはプラーク(歯垢)のなかの細菌が起こす炎症で歯槽骨が溶けてしまう怖い病気=歯周病(インプラント周囲炎)が大の苦手です。いったん歯周病になると実は天然歯に比べて細菌への防御機構が弱く、症状の悪化が速いのです。残念なことに歯を守る重要な歯の周りの組織(歯根膜・歯肉繊維)などは歯が抜けると失われてしまいます。つまり、インプラントが入った時点ででは、歯槽骨を細菌や力のダメージから守る防御機構がグッと弱くなってしまっている、という事になります。
それでは、インプラントを快適に使い続けるためのコツとはなんでしょうか?もうお分かりですね。それは私たち自身が手と知恵を使って、すみやかにプラークを取り除き、そして余分な力が加わってないか定期的に歯科医師のチェックを受けて守っていく必要があります。また、歯科医院での定期的なクリーニングも重要ですが、セルフケアも非常に重要です。歯ブラシ以外のお掃除道具(歯間ブラシやフロスなど)を使い歯ブラシの届かない場所まで掃除しましょう。しっかり掃除すれば、耐久性に違いが出ます。
治療が終わったら歯科医院に通わなくてもいい!と思う方もいらっしゃると思いますが、それは大きな間違いです。治療後は定期的なクリーニングや検診に足を運び、いつまでもおいしく食事が楽しめ、笑顔の美しい生活を保っていきましょう!