前回のブログでは、「イチから学ぶ根の治療」と題して、根の治療について詳しく書きました。多くの患者さんから「とても分かりやすかった」とのお声をいただき、ありがとうございます。ズバリ、このブログを読んでいただければ、根の治療について、恐らくプロの歯科医療従事者並みに知ることができるはずです!
ところが、根の治療をしても「また痛みが出た、歯ぐきが腫れた」と良くならない方が稀にいらっしゃいます。そのような時はどうしたらよいのでしょうか?
そのような時、多くの歯科医院では諦めて抜歯せざるを得ないかもしれないのですが、当院にはそのような歯を救う「奥の手治療」があるのです。今回はその「奥の手治療」についてお話しします。
千葉市緑区、土気駅徒歩5分のかつらやま歯科医院、事務長の葛山祐子です。当院は「できる限り削らない」「できる限り神経を残す」治療を行い、生涯ご自身の歯で噛むことができる、健康で笑顔の美しい生活をサポートすることをポリシーにしています。
また院長の他に歯科医師が2名います。女性歯科医師もいますので、妊婦健診、産婦健診、小児歯科・予防歯科にも力を入れています。
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★なぜ根の治療をしても治らないの?
「根の治療をした歯がまた腫れた!また痛みだした!」という時、非常に驚きますよね。当院にも「根の治療をしたのになぜ良くならないの?」という方がごく稀にいらっしゃいます。
根の治療は難易度の高い治療です。私も含め歯科医師は治療に最善を尽くしますが、たまたまタチの悪い細菌がいたり、根っこを傷めないよう掃除を手加減せざるを得ないケースもあって、治療後に「これでもう大丈夫、再発しません」と患者さんに太鼓判を押せないのが、この治療の難しさでもあるのです。
そのため、出来ることを全てやって最終の封をし治療を終えた後、最も重要になるのが「経過観察」です。治療後の経過は患者さんごとに違い、痛みが短期間で消え回復する患者さんがいる一方、痛みが消えず更なる処置が比較的早く必要になる方や、しばらく時間がたってからジワリと再発する方も中にはいらっしゃいます。
★再発した⁉神経を取ってある歯の再治療は超難関!
神経を取った歯の再治療の基本は、神経を取る治療と同じく、「汚れを取る」「消毒する」「封をする」の3つです。「それなら大して難しくないだろう」と思われがちですが、実際には大違いです。
再治療には、①細菌が歯の中で蔓延している②神経を取った治療で既に歯が弱っている③硬い詰め物を取り除いてからの治療になる、という難問があるからです。
まず①ですが、神経を取った歯には血液やリンパが流れておらず、生体の防御機構が働きません。細菌は好き放題に暴れ、細くて発見しにくい根管もあります。
それなら、細部まで徹底的に掃除すればよいのですが、神経を取った時既に負担がだいぶかかっている歯の掃除には、限界があります。最大の問題は、ただでさえ小さい歯の内部の神経となると、歯科医師は実は良く見えていないことです。
しかも根の奥までガッチリ詰め物がしてあるので、まずこれを取り除かなければなりません。中には硬く石灰化しているケースもあり、歯を傷めずに除去するのは至難の業です。こうした事情から、痛みなどが治る程度まで、細菌を減らせない、つまり歯の神経の掃除が十分にできないケースがあるのです。
根の治療の再治療は、私たちのような専門家でも超難関。最初に神経の治療をする時に良い治療を受け、保存した根に二度と虫歯が入り込まないように大事にすることが肝心です。
とはいえ、がっかりしないでください。根の治療の再治療ではなかなか治らない時の「奥の手」の治療が当院にはあるからです!
★歯根端切除術とは?
当院の院長は各種セミナーで研鑽を積み、歯根端切除術の術式をマスターし、10年ほど前からこの処置を行っています。最近は、必要のある患者さんに積極的に手術を行い、成功率は90%程度、多くの歯を抜歯の危機から救っています。歯根端切除術について詳しく解説いたします。
院長が動画で歯根端切除術についても解説しています。ぜひこちらも併せてご覧ください。
You tubeで学ぶ歯科治療:歯を抜歯したくない!そんな時こそこの手術。歯根端切除術とは?
★こんな時こそ歯根端切除術!
こんな時歯根端切除術を行います。①根の治療をしても治らない時②根管が閉鎖し、化膿している時③根管が曲がっていて化膿している時④土台が外せない時、です。
このような時こそ歯根端切除術を行うことで、歯を抜歯から守れるかもしれません。歯根端切除術とは、歯ぐきを石灰氏、骨を削って外側から根にアプローチをし、細菌の巣窟となっている根の先を切除し、逆根管充填をして炎症を治す治療法です。根の再治療をしても治らない時に行われる外科的治療法です。
★当院の歯根端切除術の特徴
特徴①局所麻酔で行います。全身麻酔で行うと思っている方もいますが、抜歯と同じ通常の局所麻酔で行います。その後、根の先の近くの歯ぐきを切開します。
特徴②歯根の先端は約3ミリ切除します。最近に汚染された根の先を切除して、細菌を減らします。これによって細菌の巣窟となっている感染源をできる限り切除します。
特徴③安全性の高いMTAセメントで逆根管充填をし、細菌繁殖部を完全封鎖します。MTAセメントは世界標準で使用される安全性の高い薬剤です。完全封鎖で治療の再発を防ぎます。
特徴④殺菌水POICウォーターを使用して、感染部を殺菌、洗浄します。POICウォーターはたんぱく除菌型治療用殺菌水で、殺菌力が高いです。
その後は歯ぐきを戻して縫合します。手術時間は約1時間~1時間半です。手術翌日に消毒を行い、1週間後には抜糸、その後は経過観察をします。
また、費用は保険適用ですので、3割負担の方で15000円~20000円ほどです。
★予防歯科での経過観察の重要性
治療後の経過観察は大変重要です。治療が終わって症状がいったん消えても、万が一炎症が残っているとジワリと痛みが再発することがあるからです。
こうした変化を早期にチェックし、悪化しないうちに手立てを講じるためにも、少なくとも年に一度は治療を受けた歯科医院でレントゲンで確認してもらいましょう。当院では半年ごとに定期健診にお越しいただきますが、全体的なレントゲンを撮るのは年に1回です。
治療後の経過観察は4年間が目途とされています。4年間再発が内容なら、まずは安心していただいてよいと思います。
★根の治療、その原因はやっぱりむし歯。むし歯治療は早いうちにどうぞ!
根の治療は、患者さんにとって、歯科治療の中でも特にストレスを感じる治療です。細かな掃除をしている間、ずっと口を開けていなければならず、しかも何度も通わなければなりません(1歯につき根の治療だけで平均6~7回)
治療後は痛みは違和感と付き合わなければならず、しっかり治ったかどうかは、治療後の経過観察で判断していくしかありません。
根の治療はほとんどがむし歯が原因のケースです。虫歯を放っておくと、細菌が歯の内部に入り込み、神経を侵して炎症が拡大します。神経が死ぬと、最初は感じていた痛みや違和感が消えてしまいます。
これを放っておくと、更に炎症が広がり、腫れたり、激烈な痛みが出るようになります。こうなると神経を残すことは不可能で、根の治療をし、痛みを取り、その歯を何とか残して使うしかありません。
日本では、健康保険制度があるお陰で、この極めて難易度の高い治療を、一般の歯科で、しかも安価に受けることが出来ます。(欧米では数十倍の治療費がかかります)。
このことは、費用面で言うと確かに国民にはメリットがありますが、「歯を大切にしよう」という意識が、諸外国に比べてなかなか育たない、という問題も生んでいます。
痛みはむし歯、歯周病の進行度、そして治療の必要性の物差しにはなりません。前にもお伝えしましたが、歯の病気に自然治癒はありません。
「まだ大丈夫」と思わずに、歯科医院で早めに検査を受け、むし歯が小さなうちに治療を受けて歯を守っていきましょう。
また神経を取って被せ物が入ったからといって、その歯がもう虫歯にならない訳ではありません。口腔内は目に見えない細菌との戦いです。24時間、寝ている時も戦いに休みはないのです。
定期的に歯科医院のメンテナンスに通い、日ごろからむし歯・歯周病予防を心掛け、いつまでも自分の歯で美味しくお食事し、健康を維持できるようにしましょう!
かつらやま歯科医院は、You tubeチャンネルでも歯と全身の健康に関するお役立ち情報を配信しています。ぜひこのブログと併せてご覧ください。かつらやま歯科医院You tubeチャンネルはこちら
文責)葛山賢司
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