ようこそ、かつらやま歯科医院へ!葛山祐子です。
只今、当院では、七夕イベントが開催されています。毎年、行っているイベントなのですが、院内に2メートルぐらいの高さの笹を飾り、そこに願い事を書いた短冊を飾っています。短冊は、当院が誇るイラストレーター(!)、歯科衛生士の山田が手書きで作ってくれます。今年は、動物柄の短冊で、とても可愛いのです!患者様からも大好評!!山田は、七夕イベントの院内用のポスターも毎年作成してくれています。
こういうスタッフがいるということは、本当にありがたいことだと思っています。パソコンで作るポスターと違って、手書きというのは、見る人の心をとらえる不思議な力を持っているんですよね。手書きのポスターを見ると、心が温かくなりますし、「時間かけて作ったんだろ~な~。凄いな~。」という感動も生まれます。院内全体もにも、ほんのりとした手のぬくもりで包まれているような雰囲気が漂います。やっぱり手書きの力ってすごいです。
この笹に飾る願い事、スタッフも全員書くのですが、私の今年の願い事は、「出会った人との絆が深まりますように」と書きました。今までの私の願い事は、例えば「地域で一番信頼される歯科医院になりますように」、だとか「今年も病院の目標を達成することが出来ますように」など、どちらかといえば、病院自体のレベルアップや売り上げ目標達成という実務に関するものが多かったのです。でも、今年は違います。今年は、「人との絆を深めたい」という思いを願いごとにしました。そして、絆を深めたい人とはまず第一に、当院のスタッフです。
話は変わりますが、最近ライブドアの元社長ホリエモンが収監されました。彼が、収監前に語っていたインタビュー記事の中に、「(今後は)もう人は使いたくない。ライブドア時代は、高い給与を払っていても思うどおりに人は動かなかった。」と語っている部分がありました。これを読んで、私は、これこそがライブドアが暴走した原因ではなかったのか、と思いました。この記事から推察するに、ライブドアの中では、社長は部下を思い通りに動かそうとしていた、でも、部下は社長に対する信頼を深めていなかった、だから社長のために動こうとしなかった、もしかしたら、社長を裏切ろうとしていたものもいたかもしれない、社長はそれに対して不満を持ち、更に、意地でも思い通りに動かそうとしていた・・・。そしてその結末は・・・。
私が愛読している本「日本で一番大切にしたい会社」の中に、日本理化学工業株式会社という会社が紹介されています。50年前に知的障害を持つ少女二人を「私たちみんなでカバーしますからという社員たっての願いで採用したこの会社、今では障害者雇用率は社員の7割に及んでいるそうです。普通に考えれば、障害者ですから、会社にとっては雇っても生産性が上がらないのでは、と心配しますよね。この会社も最初はそう思ったそうです。でも、いざ採用してみると、それこそ、普通の社員以上に働いたのだそうです。もう、朝から晩まで一心不乱に。本当に幸せそうな顔をして働いていたそうです。その時、当時の社長は気付いたそうです。人間にとって”生きる”とは、必要とされて働き、それによって自分で稼いで自立することなんだ。だったら、そういう場を提供することこそ、会社にできることなのではないか。企業の存在価値であり、社会的使命なのではないか、と。それ以来50年間、日本理化学工業は積極的に障害者を雇用し続けているそうです。障害者にしてみれば、働く場が得られるということはこの上なく幸せなことだと思います。社長に対する信頼感が芽生えるのは当然ですよね。そして、社長も苦労は覚悟で部下を信頼する。この会社に流れている空気は、まぎれもなく“信頼”の一言に尽きるでしょう。この会社には、恐らく「人を思い通りに動かす」という考えは存在しないのではないでしょうか。だって、相手は障害者ですから、恐らく最初から思い通りに動かないことの連続だったのではないでしょうか。それでも、働く意思が感じられれば、じっと温かく見守る。そして、少しずつでも出来ることがあれば、それを共に喜んできたのではないのでしょうか。だからこそ、50年以上たった今でも会社として存在しているのだと思います。
ライブドアと日本理化学工業、この2つの会社を比べて、どちらの会社を模範としていきたいかとじっと心に問いかけてみると、やはり私の心は「日本理化学興業」と答えます。そこでは、社長と社員が”信頼”、”絆”という名のもとに、一丸となって働いている姿が想像されるからです。これこそ「真の会社」が追い求めなければならない姿なのではないでしょうか?
そういう願いも込めて、私は今年の願い事に「出会った人との絆が深まりますように」と書きました。どうか、実現しますように!!