秋の採用活動で思うこと
ようこそ、かつらやま歯科医院へ!葛山祐子です。
日が暮れるのも早くなり、めっきり秋の気配が漂ってきました。当院では、9月中旬から10月にかけて秋の採用活動を行っていました。受付兼歯科助手の正社員の募集をしていたのです。今までは、歯科助手で正社員を募集したことはありませんでした。歯科助手野仕事は主にパート職員の方に行ってもらっていたのです。けれども、それでは十分に行えなくなってきたのです。
当院の歯科助手の仕事を見ていると、それは単なるアシスタントの仕事だとは思えないのです。どういうことかといいますと、バキュームについたり、セメントを練ったり、そういった仕事はもちろんドクターのアシスタントなのですけれど、単にアシスタントについていて何も考えなくていいか、というと全くそうではありません。
ドクターの治療準備にしても、当院のアシスタントはまずカルテを見ます。そして、前回どういう処置をして、今回はどういう処置をするのかを把握します。同時に、部位はどこで、神経があるのか、麻酔をするのかそういったところまで把握するのです。ドクターからの指示を待っていてはそれだけで治療の準備が遅くなります。ドクターにいわれる前に必要な器具を出しておくことが、治療をスムーズに進めるためにもとても重要になってくるのです。ですから、歯科アシスタントはカルテが読めないといけないのです。
また、当院のアシスタントはドクターの治療にぴったりと寄り添います。寄りそうというのは、治療の最初から最後まで基本的にはドクターのそばを離れず、ドクターの治療をしっかり見てサポートする、ということです。他院などでよくある歯科アシスタントの動きは、患者様を導入したら治療はドクター任せで、アシスタントは裏で洗い物をしたり片づけをしたりする、という動きですが、当院では原則それは禁止です。まず治療のサポートに徹します。そうすることで、ドクターの治療の進行具合がわかります。また、そのドクター独特の治療のやり方がわかります。それにより、次の患者様をお通しするタイミングがつかめるとともに、ドクターに指示されなくても、必要な器具がわかったりするのです。治療もスムーズに進みますし、ドクターも治療が行いやすいのです。また、もうひとつ大事なこと。それは、ドクターが患者様に行う説明にも、そばで耳を澄ませてしっかり患者様とともに聞いていますので、後で患者様に治療内容について質問されても、適切にこたえることが出来ます。ドクターだけでなく、歯科アシスタントも治療内容をしっかり把握することで、その患者様の治療をドクターとともにサポートすることが出来るのです。
また、歯科アシスタントは治療の司令塔の役割も果たします。次の患者様を何分にお通ししなければならないので、それをドクターに伝えて、治療が遅れているドクターに暗にプレッシャーをかけたり(笑)、瞬時に空いているチェアーを見極めて、お待たせせずに患者様を導入したりと、状況を見定めて指示を出す、正に司令塔です。歯科アシスタントがドクターの治療の進行具合を見て状況判断をし、適切に患者様にお声掛けをしたり、患者様を導入したりすることで、歯科医師は治療に専念できますし、患者様も長く待たされることがありません。これは、当院のベテランの歯科アシスタントが言っていたことですが、正に「ドクターを手のひらで転がす」(笑)ぐらいのことが出来ないといけないのです。
こう考えてくると、当院の歯科アシスタントのイメージは、単なる「バキューム持ち」では全くありません。そうではなく、頭脳を持った知性派でなくては務まらない仕事なのです。だから、しっかりした人を採用したかったので、秋の採用活動では広告の文面にこだわりました。すると、大学4年生の女性が3名ほど応募してきてくれたのです。面接を経て、そのうちの1名を採用することにしました。来年4月の新卒での採用です。
今までは、当院の歯科アシスタントとはというお話をしましたが、ここから少し話を変えて、ではなぜ彼女たちが、当院の歯科アシスタントの仕事に応募してきてくれたか、ということについてお話してみたいと思います。大きな流れとして、現在の就職難で、女子大生といえども大手企業だけではなく、その他色々な企業の仕事にも範囲を広げて探さなければならない、ということがあると思います。そういう流れの中で、ではなぜ当院を選んで応募してきてくれたのか、その一番大きな理由は、彼女たちが口をそろえて言った事は、今年から取り組んだ「かつらやま大学」の存在だったのです。勉強できる環境が整っている、それが一番の大きな理由でした。
もともと、「かつらやま大学」の発想は、愛読書でもある「世界でいちばん会社が嫌いな日本人」(斎藤智文著)に、ブラジルのケムテックという会社が登場するのですが、そこでは社内で教育省認可のMBAプログラムを開講しているそうなのです。それは、「どの大学院にも引けを取らないプログラム」だそうです。羨ましい限り!当院では現状ではそこまではできないものの、少しでもスタッフの学ぶ環境を整えられないか、と考え「かつらやま大学」の発想を得ました。今年の5月から現在まで毎月1回欠かさず、休診日にスタッフが集まり勉強を続けています。当初は、これは純粋に現在所属しているスタッフのためだけのものでした。ところが、これが採用活動で、応募してくる方をひきつける存在になろうとは、当初は夢にも思いませんでした。
「学べる環境を整える」ことが採用活動で大事である、という認識が、今回の秋の採用活動で得た大きな収穫でした。オリエンタルランドの社長の言葉である「常に投資をしてパークの魅力を挙げ続けることが大事」という言葉が身にしみて理解できます。それは、採用活動でも威力を発揮してくるのです。とても優れた人材を採用することが出来るのです。
かつらやま歯科医院の魅力は、その設備もさることながらやはり「人」でありたいと思っています。「学び、成長を続ける人がたくさん集まる医院」そんな医院を目指したいと思っています。