ようこそ、かつらやま歯科医院へ!葛山祐子です(^○^)
今月の健康本のご紹介コーナーで取り上げる本は、日本最大の臨床医の学会である「日本顎咬合学会」から出版された「噛み合わせが人生を変える」です。脳や胃腸と同様に、歯も立派な「臓器」です。しかし、大切な臓器を「1本くらい失っても問題ない」と思い込んでいる人が多いのではないでしょうか?本書では、歯を失って満足に噛めなくなると、肩こり、不眠症、うつなどの不調や、メタボリックシンドローム、運動障害、脳梗塞や認知症などを招きやすくなる、ということを豊富な事例を交えて説明しています。
中でも気になる箇所が、「がんと歯周病」に関する箇所です。ご存知の通り、日本人の死亡原因のトップはがんです。がんの死亡率は年々高くなり、今や3人に1人ががんで死亡する時代です。本の中では、海外の論文を例に挙げ、「歯周病ががんの発生原因の一つである」と述べられています。
そして、近年増加傾向にある「口腔がん」について本書は取り上げ、口腔がんを予防するためにはどうしたらよいか、ということも書かれています。
そして、2011年度の厚労省の調査で、日本人の死亡原因の第3位は「肺炎」です。肺炎による死亡者数の約97%は65歳以上の高齢者です。高齢者の肺炎は、食物やだ液などを誤って気管から肺に吸い込んでしまうことが原因で起こる誤嚥性肺炎が約66%を占めているとされます。夜間の唾液の誤嚥によることも多く、唾液に混ざっている病原微生物(歯周病の原因菌など)が、肺に炎症を起こすのです。がんにせよ肺炎にせよ、口腔内のケアが予防に大きな役割を果たすということを再認識させてくれる良書です。待合室雑誌棚に置きましたので、ぜひご一読ください!