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ブログBLOG

本当に、雇ってくれてありがとうございます!

ようこそ、かつらやま歯科医院へ!葛山祐子です。

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

新しい年の幕開けです。昨年は日本にとって大きな出来事がありました。喪失感にさいなまれながらも、必死になって頑張っている人々がいることを決して忘れることなく、少しでもその人たちのためになることが出来るよう、今年も健康に気をつけて頑張っていきたいと、新年にあたり思っています。

スティーブジョブズ氏は、聞いたところによると、常に「明日にでもしぬとしたら何をやりたいか?」と自問自答しながら日々を生きていたそうです。それを聞いて、昨年末から同じ問いを自分自身に発し続けてきました。そうしていると、ある一つの答えが見えてきたように感じます。明日より先に生きられないとしたら、まずは周りの人々に今まで支えてきてくれたことに対する感謝の言葉を述べます。これは当然のこととして、それ以外に自分が本当にやりたいと望むこと・・・それは「勉強」です。私のいう勉強は「本を読む」ということです。なぜこう思うようになったかというと、それは昨年から飲み続けているある本の影響が大きいです。それは、渡辺一夫の書いた『ルネッサンスの人々」という本です。16世紀のフランスルネッサンス時代を生きた12人のフランス人の生涯を書いた本で、かなり専門的な本なのですが、読み進めてみると、そこに出てくる人間像は現代にもつながっていることがよくわかります。この本の中で、渡辺一夫は、宗教という名のもとに、人間同士が殺し合う宗教戦争の時代を批判し、正しいと信じた思想によって人間の考えが凝り固まるのを防ぐために、常に根本の精神を問い続け、自己反省する精神を忘れてはならない、と説いています。この本の中には次のような言葉が出てきます。

「・・・しかし、こうした組織化された動きに往々見られやすい<目的のためには手段を選ばぬ>方便主義とでも呼ぶべきものは、多くの場合、生きた人間と、その心とを無視することがあります。そして、こうした「生きた人間」とその「心」とを守る人が別にいない限り、出来上がった組織は、機械のように動く危険があると思っています。」(11.ある教祖の話より)

この一文を読んで、私は「はっ」としました。これは、私たちが築き上げている組織にも言えることではないのか?と思ったからです。組織が大きくなるにつれ、その組織を作った当初の初々しい根本精神が忘れ去られ、組織の維持のために人間が存在するようになり、逆に人間が使われるようになる・・・・、これは現代社会を見回してみても本当によくあることだ、と感じます。渡辺一夫氏は、16世紀のフランスのことを語りながら、その目は現代にも通じる世相を見ていたのではないか、と感じます。いいえ、もしかしたらそれは時代を超えて存在する、人間の根本のどうにもならない性質を語っていたのかもしれません。と、いうことは、当然私たちの組織にも当てはまるはずなのです。

かつらやま歯科医院が存在する理由は、「ここにいらした方の健康で笑顔の美しい生活をサポートし続けること」です。それと同じぐらい大切なことは、「ここで働くスタッフがやりがいを持って人間らしく働ける医院」であることです。そのバランスが上手くとれていなくてはなりません。

去年の年末の大掃除のときにスタッフと面接を行ったとき、スタッフの一人である安藤が私と院長にこういってくれた言葉を決して忘れてはならないと思っています。

「本当に、雇ってくれてありがとうございます・・・」

その時は、聞いている私も涙が出そうになり、その言葉の意味を良く考えてみなかったのですが、後になってよく考えてみると、この言葉は私たちが聞く言葉の中で、最高に嬉しい言葉だったに違いありません。その言葉からは安藤が今年充実した日々を送った、という実感がにじみ出ていました。今年はこの言葉をより多くのスタッフから聞けるように努力しなければなりません。そのために私がしなければならないこと、それは

「生きた人間の心を守る人間になる」

ことなのです。