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千葉市緑区、土気駅徒歩5分のかつらやま歯科医院、事務長の葛山祐子です。当院は「できる限り削らない」「できる限り神経を残す」治療を行い、生涯ご自身の歯で噛むことができる、健康で笑顔の美しい生活をサポートすることをポリシーにしています。
また院長の他に歯科医師が2名います。女性歯科医師もいますので、妊婦健診、産婦健診、小児歯科・予防歯科にも力を入れています。
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★歯周病ってどんな病気?
歯を失う原因の割合、実はむし歯より歯周病の方が高いって、ご存知でしたか?全体の約4割を占めます。そんないやーな歯周病!理解を深め、これから一緒に戦っていきましょう!!
歯周病とは、かつてよく耳にした歯槽膿漏のことで、歯を支える組織(歯周組織)の様々な病態の総称です。歯と歯ぐきの溝にプラーク(歯垢、細菌の塊)がたまり歯ぐきの腫れや出血がおこります。ここから始まり、放っておくと最後にはぐらぐらしてきて抜けてしまうこともあります。日本では近年、中高年の約8割以上がこの歯周病にかかっています。
歯周病は、炎症が歯ぐきだけに限局した「歯肉炎」と、歯を支える歯槽骨など歯の土台にまで影響が及んだ「歯周炎」の総称です。ここで健康な状態の歯の周りの組織と、歯周病の歯の周りの組織を比べてみたいと思います。
下の右の図は健康な歯の周りの組織を示しています。歯と歯ぐきの隙間は浅く、あごの骨も損なわれていません。
一方、上の左の図は歯周病がかなり進行した状態です。歯の根にプラークや歯石が大量に付着し、深い歯周ポケットができています。
プラークからは歯周病菌が出てきて、酸や毒素を作って歯を支える組織を破壊しながら、歯ぐきの表面にくっつき体内に侵入してきます。
歯周病菌が体内に侵入してくると、感染から身を守るために「免疫反応」が起こり、歯ぐきが腫れたり血が出たりします。人間の体は、細菌の感染から体本体を守るのを優先します。
そのため、歯周病菌が体の奥深くに入って感染を起こさないよう、体が骨を溶かす物質やコラーゲン分解酵素を出して、自ら組織を破壊していきます。感染源から一定の距離を保つために、安全な陣地を後退させていくのです。
その結果、あごの骨が溶けてなくなっていき、歯周ポケットが深くなります。
★歯周病を引き起こす原因は?
清掃不良によるプラーク(歯垢)・歯周病原菌の存在が最大の原因です。これらに加え、プラークが石灰化して石のように硬くなった歯石の存在で歯ぐきが炎症を起こすために歯周病はスタートします!!
その後、歯周病菌が出す毒素や、自分の身体が歯周病菌と闘うときに自分自身の組織を破壊してしまうことで、歯を支えている歯槽骨という骨が溶かされ進行していきます!
しかし、それに加え、喫煙やストレスによる歯ぎしり・食いしばりなどの過大な力、糖尿病や、服薬など様々なリスクファクターによって歯周病の進行は促進されます。
これ以外にも、間食が多い、良く噛まずに食べるなどの悪い生活習慣が続いたり、疲れがたまるなど抵抗力が弱っているときに進行しやすくなります。
★歯周病はどのように進行するの?
歯周病は下記の図のように進行します。最初はポケットと呼ばれる歯と歯ぐきの隙間が1ミリ程度で、歯を磨くと多少出血がある程度ですが、それが徐々に進行し、最後は歯がグラグラして抜けてしまいます。
また下記の図のように外側から見ると一見多少歯ぐきが腫れている程度ですが、レントゲンを撮ってみると、歯を支えている歯槽骨という骨が吸収されてなくなっていることが分かります。
実は歯周病は「サイレントキラー」と呼ばれ、静かに少しずつ進行するとても厄介な病気です。そのため、症状が出た時にはかなり進んでいてもう手遅れということもあるのです。
★歯周病が全身疾患と関係しているって本当?
歯周病や歯周病によって歯を失うことが原因で全身の様々な病気にかかわっていることをご存じですか?歯周病を治療、予防して健康な体になりましょう!それぞれの病気と歯周病の関係は以下の通りです。
●誤嚥性肺炎・・口の中の細菌が器官に入り肺炎を起こす。誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは、歯周病菌であると言われており、誤嚥性肺炎の予防には歯周病のコ
ントロールが重要になります。
●脳梗塞・・脳の血管のプラークが 詰まったり、頸動脈や心臓から血の塊やプラークが飛んで来て脳血管が詰まる病気です。歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になり易いと言われています。
血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの方は、動脈疾患予防のためにも歯周病の予防や治療は、より重要となります。
●狭心症、心筋梗塞・・動脈硬化により心筋に血液を送る血管が狭くなったり、ふさがってしまい心筋に血液供給がなくなり死に至ることもある病気です。
歯周病原因菌などの刺激により動脈硬化を誘導する物質が出て血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)が出来血液の通り道は細くなります。
●糖尿病・・歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つと言われてきました。実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという疫学調査が複数報告されています。
さらに最近、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになってきました。つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられるようになってきたのです。
歯周病治療で糖尿病も改善することも分かってきています。
●早産・低体重児出産・・歯周病の炎症で出てくるプロスタグランジン(子宮の収縮などにかかわる物質)が胎盤に影響するため起こるといわれています。
●骨粗しょう症・・閉経後骨粗鬆症の患者さんにおいて、歯周病が進行しやすい原因として最も重要と考えられているのが、エストロゲンの欠乏です。
エストロゲンの分泌が少なくなると、全身の骨がもろくなるとともに、歯を支える歯槽骨ももろくなります。
また、歯周ポケット内では、炎症を引き起こす物質が作られ、歯周炎の進行が加速されると考えられています。
歯周病と全身の関係についてより詳しく知りたい方はこちら→「日本臨床歯周病学会HP」
★歯周病の検査とは?
当院では4種類の歯周病の検査を行い、歯周病かどうかを調べています。事前にきちんとした歯周病の検査を行うことはとても重要です。
これらは全て当院では歯科総合精密検査(デンタルドック)の中で行います。
①歯周病検査1 アドチェック:歯周病原因菌酵素活性測定キットを使用して、歯周病のリスクを客観的に測定します。
アドチェックについてより詳しく知りたい方はこちら。当院のインタビュー記事もご覧ください。→「スウェーデンスタイルによる歯周治療 エルバHP」
②歯周ポケット検査:プローブという器具を使用してポケットの深さや歯石があるかを調べます。歯周ポケットの深さや出血などから、歯周病の進行程度や炎症の有無が分かります。
③歯の動揺度検査:ピンセットを使って歯の病的な揺れがないかを調べます。(健康な歯でも多少の揺れはあります)
④レントゲン検査(X線検査):歯石の付き具合や骨の吸収など、目に見えない部分を調べられます。
★画期的な歯周ポケット検査とは?
「歯周病の検査をします」と言われてなんだかチクチクとされているけど一体何のためにこんなことをするんだ?と思われたことはありませんか?歯ぐきの薄い方や、炎症の強い所では痛みを感じることがあります。
しかしこの検査、今後お口の健康を守るためにもとても大切な検査なのです。
この検査で分かることは、歯周ポケットの深さや出血などから、歯周病の進行程度や炎症の有無が分かります。
また歯石の付き具合や、骨の吸収、根っこの形まで読み取れる、歯周病の状態を知る画期的な検査なのです。
★歯周病の治療方法とは?当院の歯科衛生士中心の歯周病治療
歯周病と診断されたらショックですよね。でも大丈夫です。当院には歯科衛生士中心のしっかりとした歯周病治療システムがあります。
①プロフェッショナルケア(歯科医院でのケア)
第1段階スケーリング:振動する機械(超音波スケーラー)を用いて歯肉の上の歯石を除去します。当院では「歯石取りの治療」と呼んでいます。
第2段階SRP(ルートプレーニング):スケーリングでは取り切れない、歯肉の下、つまりポケット内の奥深くの歯石を専用の手用器具(キュレットスケーラー)を用いて除去します。
この処置中、ガリガリと音がしますが、これは歯肉の下の硬くなった歯石を除去し、歯の表面を滑らかにすることで、歯石がたまりにくく、歯の表面に再び歯肉が付着するのを促します。
これにより歯周ポケットが改善されるのです。
第3段階PMTC(プロフェッショナルメカニカルトゥースクリーニング):第1,2段階で歯周病の治療を終えた後は、歯周病を予防するためにPMTCを受けましょう。
専用の機器とフッ化物入り研磨剤を使用して、歯みがきで落とせない歯石や磨き残したプラークを中心に全ての歯面の清掃と研磨を行い、歯周病になりにくい環境を整えます。
着色を除去することもでき、白くきれいな歯を保つことができます。
★セルフケアで改善させる歯周病+患者さんのやる気を引き出す当院の保健指導とは?
歯周病を改善させられるかどうかは、今お伝えしたように歯科医院でのプロフェッショナルケアが重要ですが、それと同じぐらい重要なことはご家庭での「セルフケア」です。
というのも歯周病の治療の際に重要なことが「いかに歯ぐきよりも上の部分のプラーク(歯垢)をご自宅でのケアで落とせるか?」だからです。
もちろん私たちスタッフも力の限りサポートいたしますが、歯周病治療の主役は、患者さん、あなたであることをぜひ忘れないでください!
歯ぐきよりも上の部分はあなたに、歯ぐきよりも下の部分は私たちがそれぞれ担当し、ケアしていけば必ず良い結果が出せます。一緒に頑張りましょう!
歯周病の治療は時間がかかりますが、根気よくセルフケアとプロフェッショナルケアを続ければ、必ず良い成果が出ます。
当院ではデンタルドックの中で口内環境検査という虫歯・歯周病の検査を行います。その後、検査結果から患者さんに虫歯・歯周病の現在のリスクとそれをプロフェッショナルケアとセルフケアで予防する方法をお伝えします。
これは歯科保健指導と呼ばれますが、ここで患者さんは「自分の口腔内にはこんなリスクがあるのか。このままではいけない!生活習慣を改善しないと!」と思われ、毎日のセルフケアの重要性に目覚めることが多いです。
これは当院の歯科衛生士にとって一番嬉しい瞬間でもあります。当院は口内環境検査の結果から、目で見える形で患者さんのリスクをお伝えできるので、患者さんのやる気をアップさせることができると思っています。
色々な口腔予防ケアグッズもお伝えしますので、ご自身に合った器具を使い分けて、口腔内と全身の健康を守ってください。
かつらやま歯科医院は、You tubeチャンネルでも歯と全身の健康に関するお役立ち情報を配信しています。ぜひこのブログと併せてご覧ください。「妊婦検診・産婦検診動画」も配信中!かつらやま歯科医院You tubeチャンネルはこちら
文責)葛山賢司
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