こんにちは、歯科医師の山本です。
先日、知り合いに総入れ歯のおじいちゃんがいて入れ歯の話をしたの総入れ歯の歴史について書こうと思います。
入れ歯の歴史って結構古いんです。
発掘された中で、日本最古の入れ歯は、 全部「木」でできたもので使っていたのは天文7年(1538年)に亡くなった尼僧だったそうです。
平安時代から「入れ歯」を使っていた日本では 鎌倉時代には全国的に普及し、 江戸時代には独特の技法が完成しました。
作り方は蜜蝋などを用いて型を採って、それに合うように木を削り込んでいたそうです。
現代の総入れ歯は吸盤と同じ原理でくっついているのですがこの原理はこの頃の木製入れ歯と同じなんです。
ただ型に合わせて木を削り込んでいくという作業は現代の歯科医療従事者には到底できない芸当です。
昔の日本人の器用さには本当に驚かされます。
ヨーロッパでも総入れ歯が作られていましたがバネの力で上顎に固定するもので見た目を補う機能しかなく食事には使えなかったようです。
しかも動物の歯や骨、時には人の歯を使っていたことも…。腐敗臭がひどかったそうです。
日本の総入れ歯と同じ吸盤の原理に気がついたのは日本から遅れること300年。
同じ日本人として誇らしいです。
昔の歯医者に負けないよう日本人歯科医師としての誇りをもって精進していきたいと思いました。